1.京町家を保全・継承するために

京町家条例

 京都市では、平成12年に「京町家再生プラン」を策定し、多くの方々と連携しながら京町家の保全・再生に向けた取組を展開してきました。さらに、平成29年11月には、京町家の価値を改めて見直し、保全・継承に繋げるため、「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」(京町家条例)を制定。この条例では、京町家の所有者だけでなく、使用者や事業者、市民活動団体、市民、行政等、多様な主体が連携して京町家の保全・継承に取り組むことや、京町家の取壊しの危機を事前に把握し、保全・継承に繋げる仕組みとして、京町家の解体に係る事前届出制度などを定めています。
 また、平成31年2月には、「京都市京町家保全・継承推進計画」を策定し、条例に定めた取組も含め、京町家の保全・継承に関する様々な取組を総合的かつ計画的に推進しています。

>条例リーフレット(PDF)
>京都市京町家の保全及び継承に関する条例(PDF)
>京都市京町家の保全及び継承に関する条例施行規則(PDF)

>京都市京町家保全・継承推進計画のポイント(PDF)
>京都市京町家保全・継承推進計画(PDF)

>京町家に関する情報冊子
>(市民しんぶん区版挟み込み)京町家の保全及び継承に関する条例の制定(平成29年12月15日号)(PDF)
>(市民しんぶん区版挟み込み)京町家の保全・継承に向けた取組(平成31年3月15日号)(PDF)

>京町家再生プラン

京町家の現状

京都の町並み景観や生活文化の象徴である京町家は、近年その価値が見直されており、本来の住まいはもとより、お店、文化・芸術施設、大学キャンパス、オフィスなど、様々な使われ方がされています。しかし、保全・継承について検討されることなく取り壊される京町家が少なくありません。
 平成28年度に実施した「京町家まちづくり調査に係る追跡調査」では、平成20・21年度に47,735軒存在した京町家が40,146軒に減少し、空き家が5,002軒から5,834軒に増加していることを確認しました。年間800軒、1日2軒が滅失している計算となります。

>京町家まちづくり調査

京町家条例に定める京町家の定義

京町家条例では、建築基準法が施行された昭和25年以前に建築された木造建築物で、伝統的な構造及び都市生活の中から生み出された形態又は意匠を有するものを「京町家」として定義しています。

※1 建築年が不明な場合は、法務局で閉鎖登記簿(有料)を取得いただくと記載されている場合があります。

※2 「平入りの屋根」とは?

建物の出入口が屋根の棟と平行する側(平)にあるもののことです。

「『平入り屋根』の条件が適用されない場合」に該当するものは、適用されません。

通り庭・火袋
奥庭 坪庭
隣地に接する外壁又は高塀

>VRで京町家体験
>京町家のいろは~たてものとくらしの基本帖~

京町家条例に基づく指定制度

 歴史や文化の象徴である大切な京町家を残していくため、京町家条例に基づき、京町家が集積し、町並みや生活文化が色濃く残っている地区や個々の京町家を指定するとともに、指定地区内の京町家や指定された個々の京町家の改修費用の補助をはじめ、様々な支援を行っています。

>京町家条例に基づく指定制度
>京町家条例に基づく指定状況
>指定候補の情報募集

>指定京町家の補助制度

京町家の取壊しの危機を事前に把握し、保全・継承に繋げる仕組み

 京町家について、取壊しも含めた処分を検討しようとする際に、早い段階で市に届け出ていただくことで、京町家の保全・活用方法について幅広い選択肢をお示しし、京町家の保全・継承に繋げていく仕組みとして事前届出制度等を設けています。

>京町家の保全・継承に向けた協議の申出
>京町家を解体する際の届出
>京町家マッチング制度

事業者による京町家の保全・継承のための取組

 京町家条例では、次のことを不動産業者と解体工事業者の皆様にお願いしております。

1 不動産業者の皆様

 京町家条例では、不動産事業者は、所有者や京町家の購入者、賃借人に対し、京町家の保全・継承に関する情報の提供・助言を行うように努めることとしています。指定制度、解体の事前届出制度、支援制度等の積極的な情報提供をお願いいたします。

>京町家条例に基づく指定制度
>京町家を解体する際の届出
>支援制度メニュー表

2 解体工事業者の皆様

 京町家条例では、解体工事業者は、京町家を解体しようとする所有者等に対し、京町家の保全・継承に関する情報を提供するよう努めることとしています。指定制度、解体の事前届出制度、支援制度等の積極的な情報提供をお願いいたします。
 その他、個別指定及び指定地区内の京町家については、京都市に解体届が提出されているかの所有者への確認等が必要です。

>解体工事業者の皆様にお願いしていること
>京町家条例に基づく指定制度
>京町家を解体する際の届出
>支援制度メニュー表

京都市京町家保全・継承審議会等

京都市京町家保全・継承審議会

 「京都市京町家保全・継承審議会」では、平成29年11月に制定した「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」に基づき、京町家の保全及び継承に関する目標や取組について定める「京町家保全・継承推進計画」の策定及び条例の施行に関する重要事項等について審議します。

>京都市京町家保全・継承審議会(京都市情報館に移動します)

京都市京町家保全・継承審議会 指定部会

 「京都市京町家保全・継承審議会 指定部会」では、平成29年11月に制定した「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」に基づく地区指定及び個別指定について審議します。
 なお、京都市情報公開条例第7条に規定する非公開情報を含むため、非公開としています。

京都市京町家保全・継承審議会 新築等京町家部会

 「京都市京町家保全・継承審議会 新築等京町家部会」では、京町家の知恵を継承した、既存京町家と共存できる住まいの建築を促進するため、京町家と認められる新築等の住宅のあり方及び誘導策について審議しました。

>京都市京町家保全・継承審議会 新築等京町家部会(京都市情報館に移動します)

京都市京町家保全・活用委員会

 平成28年度に、「京町家の保全及び活用に関する基本的な方針の在り方」及び「京町家の解体等を事前に把握する仕組み」について、市長の諮問に応じ、調査及び審議するため、「京都市京町家保全・活用委員会」を設置し、平成29年11月には、「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」を制定しました。

>京都市京町家保全・活用委員会(京都市情報館に移動します)