7.京町家を活用したい

京町家マッチング制度

 京町家が快適になるよう改修したい、誰かに貸したいけど、相談できる工務店や不動産業者がいなくて、どうしたら良いか分からないなど、京町家所有者の方が抱えるお困りごとに対して、京都市に登録された京町家の取扱い経験が豊富な専門家と共に、京町家の改修や活用方法、京町家を継承・活用したい方とのマッチング等を提案します。

1 御利用の流れ

⑴ 「2 登録団体」の登録団体リストから、活用提案等を依頼したい団体を選んでください。

⑵ 京都市又は景観・まちづくりセンターに、提案依頼書でお申込みください。

⑶ 依頼を受けた登録団体は、実際に提案を行う対応事業者を選定します。

⑷ 対応事業者から依頼者に、活用提案等、依頼内容に応じた提案・助言を行います。

★ 京都市や景観まちづくりセンターを間に挟まず、登録団体に直接御相談いただくことも可能です。

2 登録団体

不動産関係

>一般社団法人 京都府不動産コンサルティング協会(PDF)
>公益社団法人 京都府宅地建物取引業協会(PDF)
>公益社団法人 全日本不動産協会京都府本部(PDF)
>京町家居住支援者会議(PDF)
>京町家情報センター(PDF)

建築関係

>京都府建築工業協同組合(PDF)
>一般社団法人 京町家作事組(PDF)
>京町家居住支援者会議(PDF)

3 要領・書式

活用方法の提案等依頼書

>提案依頼書(書式)(Word)
>提案依頼書(記入例)(Word)
>(参考様式)委任状(Word)

実施要領

>京町家マッチング制度実施要領(PDF)
>京町家マッチング制度登録要領(PDF)

4 マッチング事例

⑴ 活用事例

・相談内容

 自己で数年間、活用者を探したが見つからない。

・マッチング内容

 活用希望者とのマッチングが成立し、茶道等の文化体験施設として活用されている。

京町家外観写真

>(広報資料)解体の危機にあった京町家が保全継承に至りました!中京区の京町家の保全継承について(PDF)

⑵ 改修事例

・相談内容

 京町家らしい外観に復原したいが、設計者や工務店の伝手がない。

・マッチング内容

 京町家の改修に長けた建築関係団体をおつなぎし、指定京町家改修補助金を利用しながら、マッチングした設計者と工務店によって改修された。

改修前写真 改修後写真

>指定京町家の補助制度

京町家賃貸モデル事業

 京町家を誰かに使ってもらいたいけど、どう改修したら良いかわからない、安心して貸せる事業者や借りてくれる人をどう探したら良いかわからないなど、京町家の活用に不安があって、踏み出せないでいる京町家所有者を支援します。
 モデル事業の第1号として、5年程空き家となっていた京町家が東京のIT系企業のサテライトオフィス兼住宅として活用されています。
 また、第2号として、20年程度空き家となっていた京町家が工務店及びNPO法人のオフィス兼社宅として活用される予定です。

※ モデル事業の対象となる京町家は、京町家条例に基づく個別指定京町家及び指定地区内の京町家です。

  >京町家条例に基づく指定とは

※ モデル事業で京町家を活用できるかどうかは、京町家の状態・立地・規模、予算の状況などを見て、京都市で判断させていただきます。

京町家賃貸モデル事業第3号の活用事業者を募集中

 詳しくは、京都市情報館に掲載している募集要項を御覧ください。
>京都市の介在する京町家賃貸モデル事業に係るサブリース事業者の募集について(公募型プロポーザル)(京都市情報館に移動します)

事業概要

  1. 京町家条例に基づく個別指定又は指定地区内の京町家で、京都市の管理であれば、活用の意思を示していただけるものを、京都市が固定資産税・都市計画税相当額(土地・家屋)の1.5倍を最低額として、公募時に活用事業者から提示のあった条件により算出した額で借り上げます。
    ※モデル事業で活用できるかどうかは、京町家の状態・立地・規模、予算の状況などを見て、京都市で判断させていただきます。
  2. 京都市が活用事業者を公募し、公募時に活用事業者から提示のあった条件により算出した額で活用事業者に転貸します。
  3. 活用事業者は、京町家の活用に当たって必要となるリノベーションや維持管理などを行います(費用は活用事業者の負担)。
  4. 賃貸借期間終了後、活用できる状態となった京町家が所有者に返還され、その後も賃貸等で活用することができます。

賃貸借期間

 最長20年間
※京町家所有者の御意向を踏まえて決定します。

用途

 延床面積の2分の1以上を居住の用に供する住宅
 ただし、オフィスとして活用する場合は、居住の用に供する住宅部分を除いた延床面積の2分の1以上をオフィス(企業・団体の事務所又は営業所)とします。

賃貸借料

 京町家の固定資産税及び都市計画税相当額(土地・建物)の1.5倍を最低額として、公募時に活用事業者から提示のあった条件により算出した額
※令和5年10月までは、京町家の固定資産税及び都市計画税相当額(土地・建物)

活用相談

 モデル事業での京町家の活用を希望される場合は、京都市京町家保全継承担当まで御相談ください。

スキーム図

モデル事業第1号の概要

所在地

 京都市中京区壬生東土居ノ内町

建築年代等

 昭和初期(築約90年)、延床面積74.56㎡、京町家条例に基づく個別指定京町家

特徴

 5年程度空き家となっていた一列三室型の京町家で、昭和初期に建てられたものです。改修前の奥庭の小屋には染料などが残っていたため、職住共存の染物関係の工場として使用されていたと考えられます。

京町家の活用内容

 東京のIT系企業のサテライトオフィスとして、京都のものづくりの支援に取り組まれます。また、京町家の魅力発信のため、京都事務所の代表者が住みながら、その暮らしぶりをSNSなどで発信される予定です。

>【広報資料】「京町家賃貸モデル事業」第1号~築約90年の京町家がオフィス付住宅として再生されました~(PDF)

外観写真(改修前)   外観写真(改修後)
外観(改修前) 外観(改修後)
内観写真(改修前)   内観写真(改修後)
内観(改修前) 内観(改修後)

モデル事業第2号の概要

所在地

 京都市中京区聚楽廻西町

建築年代等

 大正10年頃(築100年)、延床面積219.82㎡、京町家条例に基づく個別指定京町家

特徴・経過

 大正期に材木問屋が建てた大塀造の大型京町家(通称:聚楽猪飼邸)。随所に希少な材木や匠の技が使われた贅沢な造りとなっています。その後、現所有者である猪飼氏の御祖父様が購入され、家族で暮らしながら、一部を事務所として使われていましたが、家族で左京区に移り住んだ後、20年程空き家となっており、建物の老朽化が進んでいる状況にありました。

京町家の活用内容

 本京町家は、祗園内藤工務店(代表取締役 内藤朋博氏)に転貸し、同社及びNPO法人祇匠会※のオフィス兼社宅として活用されています(社宅としては、今後改修に着手予定)。改修は同社が施工し、その一部はNPO法人が若い建築関係者に町家づくりの技術を習得させる場として担う予定です。また、当初の改修は限定的なものとし、実際に本京町家で暮らす社員の実体験を踏まえながら、より住みやすいものになるよう、順次改修されます。
 さらに、この活用を通じて、本京町家での暮らしぶり、庭の四季の移ろい、随所に見られる匠の技等をSNS等で発信するとともに、イベント会場としての利用や見学などにより様々な人に京町家を体感してもらうことで、京町家の魅力を発信されます。

※ 同社が発起して設立された団体で、町家づくりの技術を保全・継承するため、京都の伝統的建築技法の習得を志す若い建築関係者を集めてセミナーや講演会などを実施(令和2年12月設立)

>【広報資料】「京町家賃貸モデル事業」第2号 築100年の大塀造の大型京町家が20年の時を経てオフィス兼社宅として活用されます!(PDF)

改修前

京町家のオフィス活用

>「京町家のオフィス活用」特設ページへ

空き家の活用・流通支援

 空き家の活用・流通等を促進することを目的に、空き家を活用又は流通しようとする所有者又は管理者に対して、活用方法のアドバイスや情報提供、空き家の劣化状況の診断を行う専門家(建築士及び地域の空き家相談員)を派遣します(無料)。

>京都市空き家活用・流通支援専門家派遣制度(京都市情報館に移動します)
>専門家派遣の申込フォーム(京都市情報館に移動します)
>専門家派遣の申込フォーム【モバイル用】(京都市情報館に移動します)

地域の空き家相談員とは?

 京都市の研修を受けて登録された、空き家について気軽に相談できる「まちの不動産屋さん」です。ホームページのリストを参考に直接連絡し、無料で相談することができます。

>『京都市地域の空き家相談員』について(京都市情報館に移動します)

京町家の活用事例

>「京町家の活用事例」ページへ

住宅宿泊事業に係る認定京町家事業

 外観及び内部において京町家の特徴的な形態意匠を有するなどの要件を満たすものとして、本市が認定した住宅宿泊事業(認定京町家事業)であって、以下の全てに該当するものは、住居専用地域における住宅宿泊事業の営業期間の制限を適用しません。

⑴ 宿泊者定員を9名以下(1組に限る。)とすること。

⑵ 使用する京町家の特徴や由来、そこで受け継がれてきた生活文化について、対面により説明すること。

※ 説明の際には、宿泊者に対し、京都の町なかに住むということ、相互に配慮しながら暮らしてきたことなどについて説明し、宿泊中の周辺居住環境への配慮を促すこと。

⑶ 地域の住民組織と信頼関係を構築することができる範囲として、市長が認める範囲内に現地対応管理者を置くこと。

>住宅宿泊事業(京都市情報館に移動します)

1 認定京町家事業の要件

 認定京町家事業の要件については、以下のとおりです。

⑴ 住宅宿泊事業が営まれる京町家が、次に掲げる形態及び意匠を有するものであること。

ア 瓦ぶきの屋根

イ 隣地に接する外壁又は高塀

ウ 次のいずれかに掲げる形態

・ 通り庭(道に面した出入口から続く細長い形状の土間をいう。)

・ 火袋(細長い形状の吹き抜け部分をいう。)

・ 坪庭又は奥庭

エ 次のいずれかに掲げる意匠

・ 通り庇(道に沿って設けられた軒をいう。)

・ 格子(伝統的な様式のものに限る。)

⑵ 使用する京町家の特徴や由来、そこで受け継がれてきた生活文化について、対面で説明をするための方法及び当該説明の内容に関する具体的な計画を定めていること。

⑶ 2の計画を実施することができる体制を整備していること。 

※ 京町家の定義については、「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」第2条第1号によります。

  >京町家条例に定める京町家の定義

2 認定京町家事業の認定申請について

 窓口:都市計画局まち再生・創造推進室(京町家保全継承担当)

⑴ 以下の申請書に必要図書(「京都市認定京町家事業に関する要綱」の別表参照)を添付のうえ、2部(正本・副本)を、京町家保全継承担当まで御提出ください。

⑵ 認定の要件を満たしていることが確認できましたら、認定通知書を交付します。

⑶ 住宅宿泊事業法に基づく届出の際に、認定京町家事業の認定通知書を添付してください。

※ 住宅宿泊事業法に基づく届出の受付窓口は保健福祉局医療衛生推進室になります。

申請書書式

>認定京町家事業認定申請書(Word)
>記入例(PDF)

京都市認定京町家事業に関する要綱

>京都市認定京町家事業に関する要綱(PDF)