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京町家が子ども向けのクリエイティブスクールに!寺子屋スタイルで学ぶ魅力とは!?

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amity_senseiの写真

iPadをクリエイティブに使う方法を発信するYouTuberとして活躍中のamity_sensei。2022年には京町家を拠点にした日本初の小学生向けクリエイティブスクール「iPadmate kids」を立ち上げ、子ども達にデジタルアートの楽しさを知ってもらうために活動しています。今注目を集めるamity_senseiに、クリエイティブスクールとして京町家を選んだ理由などをお聞きしました。

京町家のプロフィール

京都府庁の西側にある一列三室型の京町家。京町家らしさを残しながら、現代の生活ニーズに合うようにリノベーションされている。以前はフランス人が本屋兼カフェを経営されていたが、現在は、iPadmate kidsの活動拠点として活用している。

amity_senseiのプロフィール

1993年京都生まれ。イギリスの美術大学にてデジタル&テクノロジーアートを学び、iPadでのデザイン制作活動を開始。2017年に外資系広告代理店に入社後、2019年に独立。株式会社olio代表。

>iPadmate kids(外部サイトに移動します)
>amity_sensei(外部サイトに移動します)

京町家で学ぶデジタルアート

この京町家があるのは、上京区の府庁の西側にある落ち着いた住宅地。京町家らしい要素と新たに取り入れた要素がうまく融合した外観を有しています。この京町家では毎週末、子ども向けのiPadを使ったデジタルアートの教室が開催されています。

1階部分は京町家らしさを残しながらも、現代風にリノベーションされている

授業が始まる前、1階のお座敷に集まった子ども達は長机の前にちょこんと正座。何やら書道教室でも始まりそうな雰囲気ですが、子ども達の目の前に置かれるのは、半紙ではなくiPad。手に握られるのも筆ではなく、iPadを操作するためのペンシルです。

お座敷に設置されたカメラやモニターをうまく活用しながら授業は進んでいく

毎週末、約50分間、京町家で繰り広げられる教室は何とも賑やか。先生の手元を映したモニターを見ながら操作方法を学んだ子ども達は、自身のiPadを使って思い思いにデザインしていきます。この日の授業はカブトムシの画像を元に、感性のままに甲羅や角にデザインを描いていくもので、メルヘンなものからスタイリッシュなものまで個性溢れるカブトムシが完成。授業中は先生も子ども達もいきいきとしていて、最後は一人一人の作品をモニターに映し出し、先生達が良いところを伝えていく姿が印象的でした。「iPadmate kidsは、iPadを使って子ども達のクリエイティビティを伸ばすための教室なのですが、クリエイティブなことを通して、自分の強みを見つけて自信を持ってもらいたい」という思いを持っているそうです。

カブトムシの画像をベースにデザインしていく。サポートの先生もいるので分からないことがあっても安心

「子ども達の可能性を広げたい」とクリエイティブスクールを開設

amity_senseiは大学卒業後、5年ほど東京で働いていました。当時、YouTuberとして活躍する中、次第に小学校からiPadの使い方を教えてほしいとの依頼が来るように。小学校に出向いて子ども達に授業をする中で、子ども達はiPadをもっと使いたいけど、そもそも先生達がうまく使いこなせず、困っているという現状を知ります。「iPadを使いこなすことができれば、子ども達の可能性は広がるのに、それをうまく教えられる大人がない」――こうしたギャップを埋めたいとの思いから、地元の京都で子ども達を対象にしたクリエイティブスクールを開くことを決めました。

「物件を選ぶうえでは、京都らしさも大切にしたかったんです」とamity_sensei

最初から京都で教室を開くなら、京都らしい京町家にしたいと考えていたそうです。「ビルでiPadは普通な感じがしますが、京町家はグローバル的にも注目されやすいですし、外観は町家で中ではITの最先端なことをやっているというギャップが面白いと思いました」。京都御所の近くで広くて良い場所はないか探し始めたところ、友人の知り合いの不動産屋さんから紹介されたのが現在の京町家でした。京町家の所有者がアート系のことをしている人か外国人に借り手になってほしいとの思いをお持ちで、直前まで入居されていた方はフランス人で本屋兼カフェを経営されていたようですが、タイミング良く空きが出たようで、これは逃すまいとすぐに所有者と面談。iPadmate kidsとしてやりたいことを伝えたところ、すぐに入居が決まりました。内装は綺麗にリフォーム済みだったので、そのまま入居できたそうです。

授業が行われる1階のお座敷

子ども達との距離が縮まる畳の教室

京町家を教室として活用することのメリットをお聞きすると、「何より京都らしさがありますし、木の温もりを感じられて、中にも入りやすく、小学生向けの教室として非常に親和性が高いと思います。畳の上に集まって授業を行うので、例えば、学校の教室のように一人一人に机が与えられる空間と比べると、良い意味で学校っぽくなくて、子ども達とのコミュニケーションも取りやすく、一気に距離が縮むように感じます。子ども同士もすぐ仲良しになりますね」。また、2階は、撮影スタジオがある他、保護者の待機室にもなっていて、モニターを設置しているので、1階の教室の様子を見ることができます。「モニターを見ながら一緒にiPadの授業を体験される保護者の方も多いですね。待機室は和室なのですが、皆さん畳が落ち着くとおっしゃられていて好評です」。

作品の撮影などを行う2階の撮影スタジオ
撮影スタジオの隣にある待機室。モニターで1階の授業の様子を見ることができる

教室に通うのは京都の子どもが多いですが、中には大阪や更に遠くから通う生徒もいるのだそう。授業は京都まで通うことが難しい子ども向けに平日にオンラインでも行っていますが、オンラインの受講者からは「京町家での授業がうらやましい!一度行ってみたい」との声も多いそうです。

未来のクリエイターが育つ場所

京町家でクリエイティブスクールを開いて約1年。生徒の中には、まだ小さいのに「人生が変わりました」と言っている子や、自信を持って社交的になった子など、自分の強みを見つけられる場所になっているそうです。当初は、1年間通った生徒は卒業と考えていましたが、「まだまだ通いたい!」との声も多く、急遽レベルアップクラスを開設することにしたのだそうです。「京町家という空間で伸び伸びとクリエイティビティを高めて、自信がついて変わっていく生徒の姿を見ているととても嬉しいです。本当に子ども達の成長を会う度に感じています」とamity_sensei。

時には生徒同士で教え合う場面も。距離の近さも京町家ならでは

「京都で拠点を増やすのであれば、もう少し街中にある京町家を活用して、カフェとアートスクールの要素を掛け合わせた空間を作ったり、観光や海外の方がふらりと立ち寄って京都らしいアートな体験ができたりと、クリエイティブ体験型の事業を展開できたら面白いなぁと思っています」。「YouTuberのamity_senseiとしては多くの方に認知いただいていますが、教室としての認知がまだまだなので、大人や海外向けの事業もして、もっと幅広い方に「iPadmate kids」として注目されるようにしていきたいです」。――京町家とデジタルという、一見意外性のある組み合わせによって生まれる未知なる可能性。京町家から誕生する未来のクリエイター達の活躍が今から楽しみです。